村所八幡神楽

みちくさ特別号に寄せて(2016 DECEMBER)

今年も神楽の季節がやってきた。春は自然への祈り、冬を迎え奉納されるは、自然からいただく実りへの感謝の心。それが「神楽」であり、それに参座させていただくことは、暮らしの魅力を感じられるエコツーリズムそのものであると思っている。

「神楽」の準備村所神楽(西米良村)村所八幡神社「神楽」

今回は宮崎県環境森林部と一緒に弊社で取り組んでいる宮崎県の山文化を発信する事業をご紹介する。今年度は、弊社が本社を置かせていただいている西米良村の村所八幡神社の冬大祭(神楽)をお手伝いいただく機会を神楽頭取をはじめ社人の方々から設けていただいた。村人たちとの交流を通し、人々の暮らしがどのように山文化と関わってきたかということを学んでいただく「みちくさエコな旅」になりそうである。

みやざき農商工連携応援ファンド事業を通して宮崎公立大学の永松敦教授が行っておられる地域在来野菜の伝統的活用と新たな創造に向けた活動とも連携した形で、焼畑も山文化と捉え、米良糸巻き大根や樫の実こんにゃくなどについてのセミナーもドッキングした企画になっている。

糸巻き大根削り馬体験「削り馬」体験風景

永松先生は神楽など文化人類学の権威でもあり、旅に同行していただくことで、山文化と神楽の位置づけや、二日目に「にしめらツーリズム協会」の皆様がご案内してくださる山歩きやグリーンウッドネワーク活動による削り馬体験、玩具きじ馬のレクチャーなど木育にもつながる多彩な山文化の楽しみ方を学ぶ旅として世界初企画となるよう力を入れていきたい。都市部と山村部の交流だけでなく、山文化を世界に発信するツールとして、今後、このような個人をターゲットにしたインバウンドツアーの造成にもつなげていきたい。ただし、あくまでも地域づくりを応援するという目的の地域ツーリズムとして。大学生や留学生たちにも経験していただくものとしてメニュー化していきたいと思っている。

今年度の「山の宝発信事業」では、2月11日~12日に実施される予定の「シェフたちと行く山の宝発見の旅/小川地区・食編」などを現在、企画中である。奥ニッポンの大半は山である。森があり、川が流れ、海につながる。この「つながり」こそが地域の宝であり、今後も川の下流部や都市部と山村の交流を主体に「みちくさ」をつづっていきたいものである。

「福永栄子」署名
  • 愛で人と人、地域と地域を結ぶ(株)アイロード代表
  • 地域交流誌「みちくさ」編集長