西米良 語り部の会
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寒(さむ)い空(から)っ風(かぜ)が吹(ふ)く日(ひ)じゃった。深(ふか)い笠(かさ)をかぶり杖(つえ)を突(つ)いた一人(ひとり)のやんぼしが、とぼとぼと横(よこ)谷(たに)にやって来(き)た。

見掛(みか)けは、痩(や)せこけていたが、四十(しじゅう)ばかりで背丈(せたけ)もあり、ひょろっとした男(おとこ)の人(ひと)じゃった。

それを見(み)かけた二人(ふたり)の若者(わかもの)が後(あと)をこっそりと付(つ)けて、こそこそと何(なに)か語(かた)りおうた。
 
日向(ひゅうが)の村々(むらむら)を巡(めぐ)り、やっとの事(こと)で、米良(めら)と、球磨(くま)の境(さかい)の横谷(よこたに)まで着(つ)いた。しかし、寒(さむ)さはえらく、手(て)をこすりこすりし、お経(きょう)をあげて巡(めぐ)らいた。

山(やま)ん中(なか)んことで、やんぼしどんにあげる上等(じょうとうもの)物な、ねぇしてひえ、あわ、とうきび、からイモくらいのもんじゃった。
 
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