「みちくさ」創刊17年目の迎えて

今から16年前、2000年10月15日に創刊した「みちくさ」は、今月号で通算148号になる。多くの方々の応援で継続することができたこと、心から御礼を申し上げる。この16年で多くの人々と出会い、意気投合した。九州のムラの養父さんもだが、南阿蘇村の地で必死に被災写真を撮り、発信し続けている長野良一さんに、水清谷の人々、みやざきツーリズム協議会の同志たち。延岡の虎屋さんに多くの農家さん、コッコファームの皆さまや観光連盟や県庁、同友会の皆さま、本社がある西米良村や九州中央山地の村々の方々、支えていただき幾度、うれし涙をしたか。数え切れない「出逢い」「交流」。人と人、地域と地域を「愛」でつなごうと思っていた私たちが、逆に、郷土愛や人類愛でつないでいただいているのが、現実だったと気がついたのが、17年目に入る今日この頃である。

地域との出逢い

鹿児島県観光連盟の企画で、観光プロデューサーの奈良迫氏とは、一緒にたくさんの旅をさせていただいた。思い出の地も増えた。甑島や種子島、屋久島、奄美諸島、伊佐に霧島、指宿、南九州や日置、南さつまなどと、本当に楽しい旅をした。しかし、初体験は何事にも変えがたい。企画の一番はじめをかざったのが、「観光プロデューサーといく大隅の旅」であった。そして、その旅先で出会ったのが、当時、地域振興局長であった、役人らしくない役人と自称される白橋氏であった。今では観光連盟の専務理事をされている。とにかく面白い発想の持ち主で、続く企画「広域観光周遊ルート発見の旅」の生みの親でもある。

さて大隅の旅で出会ったのが古代史ロマンに詳しい郷原さんや垂水のイチョウの生みの親の中馬さん。そして、田代のうんめもん会の皆さんも忘れてはいけない。とにかく元気な方がいっぱい。そう、大隅の魅力は手つかずの大地と豊かな農林水産業、そして、交通インフラが整っていないが故の、素朴さと人の連帯感なのであろう。豊かな食資源は、美味しい店をつくる。最近、通いつめているのは、チャイナワンや道の駅すえよしのおばちゃんバイキング。きたん市場は私の心のふるさと。悠久の森を基地に活動しているレンジャーの方々は私の教師である。すべての葉っぱが植物になる。

奈良プロデューサー中馬氏と白橋氏中谷ゴッタン曽於市おごじょパワー

地域のオリジナル楽器ごったんも楽しい。おばちゃんや田の神さぁの格好をしたおじちゃんたちが、唄い、踊り、笑う。曽於市の「おごじょ(女性)パワー」は、半端なものでなく、いつまでも記憶に残り、私を魅了する。志布志のツーリズムの皆さんも負けていない。役場の人も熱く、素朴で、面白い。こうした楽しい交流の時間を、読者の皆さまに紹介したいと思い会員制の旅を始めた。実は、私が一番、喜んでいるのかもしれないが(笑)みちくさ倶楽部会員の方々とともに地域を巡ることは、私の活力かもしれない。

現在、弊社は「おおすみ暮らし体験お試し券発行事業」の事務局を行っている。大隅地域の魅力発信の一助となるべく、
体験素材を勉強中。8月には研修をおこなった。場所は曽於市の悠久の森と志布志や南大隅町。今月号の「みちくさ」13ぺージには、曽於市の体験メニューを紹介させていただいている。ぜひ予約をし、訪れてほしい。きっと探していた何かがみつかることだろう。

「福永栄子」署名
  • 愛で人と人、地域と地域を結ぶ(株)アイロード代表
  • 地域交流誌「みちくさ」編集長